不動産を取得するとき、賃貸契約を結ぶときなど、不動産会社の人間とやり取りをするときに聞きなれない用語が飛び出してくることがあります。

不動産業界にはさまざまな業界用語、隠語があり、不動産業界の知識がない方にとっては理解しにくいです。

基本的な用語から上級者向けの用語まで徹底的に解説します。

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物出し（ぶつだし）

顧客からの要望を聞いて、その条件に合う物件を不動産会社が流通ネットワークから探し出すこと。顧客にとっては比較対象が絞られるため、物件検討がしやすくなるが、不動産会社の営業マンにとっては、複数の流通ネットワークから条件に合致する物件を探すのは手間のかかる作業。きちんと「物出し」してもらうには、具体的な条件の提示と、購入の意思を示すことが有効。

物確（ぶっかく）

「物件確認」の略で、仲介業者が貸主や管理会社に募集状況の確認をすること。不動産の状況は刻一刻と変わるため、顧客から購入や契約の意思表示があれば、その段階で現在の状況を改めて確認するのが通例。

カラ電（からでん）

不動産の営業マンが使う営業手法で、顧客の前で受話器に話しかけてあくまで電話をしているようなふりをすること。顧客が問い合わせた物件が本当はすでに申込が入っている、その物件に案内できないなどの理由があり、本当のことを顧客に言いにくい場合に、その場で電話をかけるふりをして「先方から今は案内できないと言われた」などと言って断る手法。

呼び物（よびぶつ）

ホームページや店頭に情報を公開しているものの実際には案内できないオトリの物件のこと。広い、家賃が安い、駅から近いなど好条件を並べて不動産を探している客を集客し、実際には条件の劣る物件を紹介する手法。（オトリ広告は不動産公正取引協議会にて禁止されています。）

決め物（きめぶつ）

不動産の営業マンが本当に売りたいと思っている物件のこと。出来るだけ効率良く契約を取りたいと考える営業マンは、条件の同じような物件をいくつも提案し、あれやこれやと顧客に説明したり案内をしたりする時間を惜しむため、「これなら顧客が気に入りそう」と思う物件１つ（＝決め物）と、それより条件の劣る物件を顧客に比較させ、選ばせるという手法をとる。

不動産のオーナーにとっては、自身の物件が営業マンに「決め物」だと思われれば、成約率が高くなるため入居付けや売却に優位に働く。

当て物（あてぶつ）

決め物に対して、その当て馬として使われる条件の劣る物件のこと。不動産の営業マンは、まずは当て物を顧客に見せて落胆させてから、決め物を見せて成約へ進める、という手法を取ることがある。

不動産のオーナーにとっては、自身の物件が営業マンに「当て物」だと思われると、紹介数は増えても決定率は低くなるため、入居付けにおいて非常に不利になる。一般的に、外観・内観の手入れが行き届いていない物件・周辺環境が悪い物件・築年数の古い物件などが当て物とされやすい。

ダマ

都合の悪いことをあえて黙っておくこと。麻雀のダマテンが由来と言われる。不動産会社が顧客に対して行うダマの例を挙げると、近隣の治安が悪い、過去にトラブルがあった、欠陥住宅である、など資料や現地を見ただけでは分かりにくい情報が多い。また、反対に顧客が不動産会社に対して行うダマとしては、ペット禁止の物件でこっそりペットを飼ったり、単身入居と偽って同棲をしたり、という例が挙げられる。

契約後にダマが発覚した場合、トラブルに繋がる恐れの他、宅建業法違反として罰せられる場合もある。

のっけ

賃貸業界で使われる隠語で、仲介業者が取り分を上乗せした価格のこと。宅建業法により、本来仲介手数料は一か月分の家賃とそれにかかる税金分までしか請求できない決まりになっている。しかし、「仲介手数料」という名目でなければどれだけ価格を上乗せしても法律上の問題はない。

この仕組みを巧みに利用しているのが「のっけ」の手法。実際にオーナーや管理会社が提示している賃料や礼金に対して、仲介業者が取り分を上乗せしてから入居者に紹介し、「のっけ」た分は後からオーナー・管理会社にバックをもらうという仕組み。

担ボ（たんぼ）

「担当ボーナス」の略称。賃貸仲介の営業マンが成約した場合、入居者からは仲介手数料を支払われますが、これとは別にオーナーから成約した営業マン個人に支払われるお礼金のことを指す。営業マンにとっては、個人の収入に直結するため、担ボ付きの物件は積極的に紹介しようとする。

在籍会社（ざいせきかいしゃ）

賃貸物件で入居者が入居審査に通るために使う、実際には存在しない偽の会社のこと。アリバイ会社とも呼ばれる。暴力団関係者や水商売など、そのままでは入居審査に通りにくい人が使うことが多い。

在籍会社を使われると、不動産のオーナーにとっては、入居者の身元が不明瞭となりトラブルの原因になる。最近は管理会社による、在籍会社対策も徹底されているが、より偽装が巧妙になっていたり、実際に存在する会社がサイドビジネスとして在籍委託業務を請け負うケースもあり、判別は難しくなっている。

訪問販売（ほうもんはんばい）

自宅まで商品やサービスを販売しに来ること。食品や化粧品などの比較的低価格なものや、保険、自動車、インターネット回線などが多いが、不動産業界でも訪問販売のケースはある。マイホームの訪問販売や不動産投資の訪問販売などがそれにあたる。

訪問販売は強引に売り込んだり契約するまで玄関先に居座ったり、さらに説明をきちんと理解できない高齢者と無理に契約するなど、さまざまなトラブルの原因にもなっており、現在は特定商取引に関する法律という法律で規制されている。

飛ばし（とばし）

賃貸業界において、不動産会社が同行せず、顧客に一人で物件見学をさせること。飛ばし案内・飛ばし行為とも言われる。通常、顧客は営業マンと一緒に物件の内覧をするが、繁忙期などで営業マンの予定が重なると、顧客にカギを渡し、勝手に内覧をしてもらうという手法を取る会社もある。

顧客にとっても、一人で見に行けるため気軽というメリットもあるが、カギの紛失の問題や、事故時の保証・戸締りの問題などリスクもあるため注意が必要。最近は一定時間だけ使える暗証番号で部屋の鍵を開ける、スマートキーの設備も誕生している。

MB（エムビー）

メーターボックスの略称。物件に取り付けられた水道メーターやガスメーターなどを格納したボックスで、物件の間取り図内では「MB」の表記で示される。

なお、MBを「メールボックス」の略称として使う場合もあるが、この場合はMB表記の後ろに暗証番号などが記載されていることが多い。

PS（ピーエス）

パイプスペースの略称。給排水管やガス管などが通るスペースのことで、物件の間取り図内では「PS」の表記で示される。

重説（じゅうせつ）

重要事項説明書の略称。物件の所在地や面積、現在の状況、法令上の制限の有無、取引価格などが記載されている重要な書類で、宅建業法により、不動産会社は契約締結前に、顧客に対して重要事項説明書の説明・交付が義務付けられている。

重要事項説明書の説明を行うには、宅地建物取引士の資格を所有している必要があり、実際の説明時には顧客に対して証明書を提示したうえで、重要事項説明を行う。業界では、この「重要事項説明を行う」行為を「重説」と呼ぶ場合もある。

宅建士証（たっけんししょう）

宅地建物取引士証の略称。宅地建物取引士の資格所持者であることを証明するカードのこと。宅建業法においては、各事業所の5人に1人は宅地建物取引士を設置するよう定められているほか、重要事項説明書の説明も有資格者にしかできない業務であることから、不動産業界においては有効度の高い資格と言える。

ただし、宅地建物取引士は、例年18％以下の合格率と難易度も高いため、不動産会社に勤務していても宅建士証を所持していない人は多い。

売契（ばいけい）

売買契約書の略称です。契約する物件の所在地や価格、引き渡しの時期、違約の条件や金額などが記載された契約書のこと。重要事項説明書と違い、売契の説明は宅地建物取引士でなくとも可能。

重要事項説明書と同様に重要な書類だが、悪質な不動産会社の中には、内容をしっかり説明せずに署名だけ求める場合もあるので注意が必要。専門用語や難しい言い回しをされている場合が多いが、きちんと説明を受け理解・納得してから署名する必要がある。

青田売り（あおたうり）

まだ完成していない物件を販売すること。稲穂がまだ青いうちに、その田の収穫量を見越して先売りしたことに由来する。マンションや一戸建ての分譲ではこの青田売りが一般的だが、建築確認（建築関係の法令に適合しているかどうかの審査）が済んでいない物件の青田売りの広告は違法である。

青田売りの物件は、顧客にとっては実際の物件を見てから購入できないというデメリットはあるが、良い物件は青田売りの段階で買い手が決まってしまうのが業界の通例。青田売りの物件を購入する場合には、モデルルームや図面等で実際の物件の完成イメージをしっかり確認してほしい。

上物（うわもの）

土地のうえにある建物のこと。土地の売買の際に、土地の上に古家が建っているときなどに「上物あり」という言い方をする。

建物の形状・築年数に関わらず、どのような建築物でも上物と呼ばれるが、業界内では活用できないほど老朽化した家屋を指されることが多い。上物ありの土地は価格が安くても、上物の取り壊しに費用を要するため、取り壊し費用も含めて購入を検討する必要がある。

AD（エーディー）

不動産オーナーが賃貸仲介業者に対して支払う、賃貸仲介時の広告料のこと。仲介手数料と同じく成果報酬の場合が多い。

一般的な相場は賃料の1ヵ月分～2ヵ月分だが、入居の決まりにくい物件や閑散期には、優先的に入居を付けてもらえるよう、ADの相場は跳ね上がることもある。

おとり広告（おとりこうこく）

すでに売却済みの物件や実在しない物件を、集客のためにホームページや店頭に掲載された広告。悪徳な不動産会社は、おとり広告を故意に掲載し、その問い合わせに対して実際にはその物件を紹介せず、別の物件を紹介し契約させようとする。

（※おとり広告は宅建業法および不動産の表示に関する公正競争規約で禁止されています）

感度（かんど）

営業マンが社内共有のために使う言葉で、物件紹介後の顧客の反応のこと。顧客がその物件を気に入っていたり、契約しそうな気配があるのなら「感度あり」、いまいちいい反応がなかった、手ごたえがなかった場合は「感度なし」のように使う。

客付け（きゃくづけ）

不動産の売買であれば買主側、賃貸であれば借主側の集客・購入サポートをすること。その業務を請け負う不動産会社のことを「客付け業者」と呼び、反対に不動産の売買で売主側の売却サポートをする会社のことを「元付け業者」と呼ぶ。

不動産の売買の場合には、１つの物件を売買するにあたって、売主が元付け業者に売却を依頼し、客付け業者が買主を探し、元付け業者と客付け業者が協力して成約を目指す、というように４者が登場する。元付け業者が客付け業者を兼ねる場合もある。

元付け（もとづけ）

顧客から売買の依頼を直接受け付けること。その業務を請け負う会社のことを「元付け業者」と呼ぶ。

くどき

不動産の営業マンが使う営業手法で、契約が決まりそうな段階のクロージングのこと。

けっちん

取引がキャンセルされたこと。「買主に土壇場でけっちんをくらった」のように使われる。

指値（さしね）

物件の買主側から提示される購入希望金額のこと。中古物件の場合は特に頻繁に使われており、売主側も指値が入ること前提で物件価格を設定している場合も多い。仲介業者はどのくらいの指値なら売主が了承するか把握していることもあるため、実際に指値をする際には相談してみるのもひとつの手。具体的には、指値後の金額で買付証明書を売主に提出し交渉するケースが多い。

サブコン

サブコントラクターの略称で、ゼネコンの下請け会社のこと。建築に関わる工事の一部分のみをおこなう会社のことを指す。

事故物件（じこぶっけん）

明確な定義はないが、一般的には過去に死亡事故が生じた物件のこと。他殺・自殺・病死のほか、火災で死亡者が出た場合、階段からの転落死などの場合も事故物件にあたる。

事故物件を売買・賃貸する場合は告知義務があり、2021年に国土交通省が示した「宅地建物取引業者による人の死に関する 心理的瑕疵の取扱いに関するガイドライン（案）」によると、殺人・自殺・火災による死亡・特殊清掃が行われた場合の孤独死については告知義務がある一方、病死・老衰死・転倒による事故死・死亡から日数が経たず発見された孤独死などの場合には告知義務はない旨が明記されている。告知の期間は賃貸の場合は事故発生から3年間、売買の場合は今のところ期間は定められていない。

なお、事故物件は一般的な相場より2割～3割程度安い価格で貸出・売買されることが多い。

仲手（ちゅうて）

仲介手数料の略称で、不動産を売却・購入するときに仲介を依頼する不動産会社に支払う費用のこと。契約が成立して初めて支払われる成果報酬であり、宅地建物取引業法で上限額が定められている。

不動産売買の仲介をするにあたって不動産業者は、現地に赴いて物件調査をしたり、費用を負担して必要な資料を取り寄せたり、売主に代わって契約書を作成したりなど、手間とコストがかかるため、仲介手数料は上限額ギリギリを請求する場合が多い。

しかし中には「キャンペーンで仲介手数料割引」といったケースもあるため、売却を検討する際には業者の選定がおすすめ。

賃契（ちんけい）

賃貸契約書の略称で、部屋の所在地や間取り、面積、家賃などが記載された契約書のこと。部屋を借りるときに不動産会社が作成し、入居者が署名する。賃契の説明は宅地建物取引士でなくても可能。

なお、一つの不動産会社で不動産の売買も賃貸もおこなっている場合は、売買契約書のことを「売契」、賃貸契約書のことを「賃契」と区別される。

追客（ついきゃく）

不動産会社の営業マンの営業手法で、一度契約した客にさらに営業をかけること。新しい物件を提案したり、契約した物件に不備はないか確認したりする。さらなる取引に繋げたり、その顧客から新規顧客を紹介してもらうことが目的。

なお、「追客リスト」のような形で、顧客自体のことを「追客」と呼ぶこともある。

ディベ

ディベロッパーの略称で、宅地開発事業者のこと。土地に対して、どのような開発を行うか（住宅街にするのか、オフィス街にするのか、リゾート地にするのか…など）の方向性を定め、その開発内容を図面に落とし込むのがディベロッパーの主な業務。その図面をもとに建築を進めていくのがゼネコン会社である。

なお、開発したエリア・物件を不動産会社と協力して販売業務まで担当することもある。

電ビラ（でんびら）

電柱に貼ってあるチラシのこと。不動産業界でも電ビラを使った集客手法が使われることがある。ただし、電柱に広告を貼ることは屋外広告物法施行条例違反のため、会社名は明記せず、営業マンの携帯番号のみ掲載し、会社の広告ではないと言い逃れするケースが多い。

このような方法で宣伝している物件や不動産会社の信用度は低く、トラブルに巻き込まれる可能性も高いため注意が必要。

天ぷら（てんぷら）

架空の契約、またキャンセルを前提とした契約のこと。営業マンがノルマを達成できないことを恐れ、契約数を稼ぐために架空の契約をでっちあげ、後ほどキャンセル手続きをすることを言う。

どんつき

一本道の一番奥にある土地・建物のこと。左右を他の建物に囲まれており、行き止まりの部分にあたる。

流れ（ながれ）

取引が流れる、つまりキャンセルになること。

旗竿地（はたざおち）

道路に接している部分が狭く、奥に敷地が広がっている、旗のような形になっている土地のこと。敷延（読み方：しきえん。敷地延長の土地の意）とも言われる。

建物を建てる際は道路に接する間口を2メートル以上確保する必要があり、旗竿地の場合はその条件を最低限しか満たしていないケースが多い。中には間口が2メートルに満たず、再建築が不可能な物件もある。

一般的に旗竿地は周辺相場に比べて価格が低いのが特徴。収益物件の場合は高収益が期待できる。一方で、周囲がすべて建物に囲まれている、奥まったところに物件ができるというデメリットもある。

物調（ぶっちょう）

物件調査の略称で、物件の現地を実際に見に行くこと。購入にあたって物件の状態や境界の確認、周辺環境を確認する本格的な調査の意味合いから、簡単に物件を下見する程度で使われることもあり、状況や会社によって微妙に意味合いが異なる。

両手（りょうて）

物件の売買や賃貸の契約が成立した際に、売主と買主（または貸主と借主）の双方から手数料を取ること。両手の反対語として売主、買主（または貸主と借主）のどちらか一方のみからしか手数料を取れないことを「片手」とよぶ。

売主から物件売却の依頼を受けた不動産会社が、直接買主を見つけた場合には、両手となる。

シリンダー

鍵を差し込む鍵穴の部分のこと。シリンダー内部の出っ張りと、鍵がかみ合うことでロックが外れ、鍵が回る仕組み。シリンダーにはピンシリンダー、ディスクシリンダー、ロータリーシリンダー、ディンプルシリンダーなど様々な種類があり、コストや防犯性が異なる。

ディンプル

シリンダーの一種で複製しにくく防犯性の高いもの。ディンプルシリンダー内部のピンをディンプルキーの大小のくぼみに反応させて施錠する。配列の組み合わせは1000億通りとも言われており、防犯性が非常に高いところが特徴。

げたばきマンション

マンションの一階部分が飲食店や商業施設、事務所、駐車場など、居住用以外の用途で使われているマンションのこと。一階部分の柱のすき間に店舗などがある様子が下駄のように見えることに由来する。

入っている飲食店や店舗によっては利便性が高いというメリットはあるが、夜中まで騒がしい、眩しい、騒音が気になるなどのデメリットもある。

一式請負（いっしきうけおい）

建物を建てる際の一式の工事をすべて一つの工務店や建築業者がおこなうこと。一式請負をすれば契約が一度で済む、進捗状況の確認がしやすい、それぞれに契約する必要がないためコストを抑えられる等のメリットがある。

現況有姿（げんきょうゆうし）

土地や建物の現在そのままの状況のこと。建物付きの土地売買をおこなう場合、リフォームなどをせずにそのまま引き渡す際には契約書に現況有姿の旨が記載される。建物だけでなく、森林などをそのまま引き渡す場合、問題がある土地をそのまま引き渡す場合にも使われる。

エンド

エンドユーザーの略称で、不動産業界においては不動産を購入する人のこと。また、不動産会社が物件を仕入れ、自社の利益分を上乗せした売価を「エンド価格」と言う。不動産会社は不動産を買い取る際、エンド価格を見極めた上で査定金額を提示する。

チンパツ

賃貸を契約した後、賃料が発生する日のこと。

あんこ

不動産の売主と買主のあいだに不動産会社が3社以上介入していること。あんこを不動産を仲介する会社に見立て、そのあんこを挟む生地を元付け業者と客付け業者に見立てたことに由来する。

あんこ業者は元付け業者と客付け業者の仲介をおこなうだけで、買主の仲介手数料の一部を得ることができる。あんこ業だけで売り上げを立てている不動産業者もあったが、近年はインターネットを使って簡単に情報を仕入れられるようになったため、あんこ業者の数は少なくなっている。

晒し物件(さらしぶっけん)

多くの不動産業者が知っているが、長期間どの業者からも相手にされていない売り出し中の物件のこと。当て物（あてぶつ）と同じような意味で、不動産会社の営業マンが売りたい物件との比較対象に使う。

誇大広告(こだいこうこく)

実際の価値よりも高い価値があると顧客に誤解させる広告のこと。「完全」「日本一」「最高級」「格安」などの言葉は、顧客に誤認を与えるおそれがあるとして、不動産の表示に関する公正競争規約で使用が制限されている。

不動産専門用語を理解して取引をスムーズに

不動産業界でよく使われる専門用語や隠語を紹介しました。

不動産業界にはたくさんの専門用語、隠語があります。言葉の意味を理解しないまま話を進めていると、買主や借主にとって不利な契約をされてしまうかもしれません。

また、物件を紹介される段階で早めに違和感に気づけられれば取引を失敗することもないでしょう。

不動産会社の営業マンや担当者の話をよく聞いて、騙されないようにしてください。